●アバスチンについて
アバスチンは、異常な血管の成長を活発化させる体の中のVEGF(血管内皮増殖因子)という物質に対する抗体で、VEGFのはたらきを抑え、異常な血管の増殖や成長を抑える薬です。
眼内の新生血管が原因となっている新生血管黄斑症や糖尿病網膜症、血管新生緑内障の発症にVEGFが大きく関与しているといわれています。この薬の投与によりVEGFの作用を抑え、新生血管の増殖、成長を低下させ、新生血管黄斑症や糖尿病網膜症、血管新生緑内障に対する治療効果が期待されます。
アバスチンの全身投与により、加齢黄斑変性によりおきた脈絡膜新生血管が小さくなり、視力がよくなったという報告があります。その後、硝子体注入(眼内への注射)によっても同じような効果があったという報告があります。また糖尿病網膜症による硝子体出血、虹彩新生血管に対しても効果があったという報告があります。
●眼内新生血管による病気について
・新生血管黄斑症について
眼底にある脈絡膜という豊富な血管がある部位から網膜側に、黄斑に正常では存在しない新生血管(脈絡膜新生血管)が発育する病気です。病気の種類として加齢黄斑変性、近視性脈絡膜新生血管、特発性脈絡膜新生血管等があります。ものをみる中心である黄斑(おうはん)に新生血管ができ、黄斑のさらに中心にあたる中心窩(ちゅうしんか)という大変重要な神経が傷害されると、歪んで見えたり、重篤な視力低下や中心視野障害を来たしたりします。黄斑がいったん障害されると、視力や見え方が元の状態に戻るのは不可能と考えられています。
・糖尿病のよる眼合併症について
糖尿病網膜症が進行すると眼内(網膜・虹彩)の血液の循環が悪くなります。更にわるくなると新生血管が網膜、視神経乳頭上に発育し、硝子体出血をおこしたり、増殖膜のあしがかりとなったりします。さらに牽引性網膜剥離まで進行すると視力の回復は難しくなります。また前眼部まで血液の循環が悪くなると虹彩に新生血管が発育し、眼圧が上昇して血管新生緑内障となります。血管新生緑内障が進行すると視力低下、視野障害をおこし、目の痛みも感じるようになります。
●予想される効果
新生血管黄斑症では脈絡膜新生血管の縮小・視力の向上が期待できます。
増殖糖尿病網膜症、新生血管緑内障に対しては手術の約一週間前に眼内注射することがあります。それにより手術中の出血量の減少、より安全な手術が可能となります。また視力予後の向上が期待できます。
●治療の費用
硝子体内注射の費用や薬剤(アバスチン)の費用、または使用物品の費用は自己負担になります。
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