ドライアイについて
通常涙は、まばたきにより網目状の薄い膜となって眼球表面を覆い、乾燥や細菌の侵入等を防いでいます。
しかし、ドライアイになると、 涙液の減少および涙液の質的な異常による乾燥で、涙で眼球表面を十分保護することができなくなり、その結果として角結膜上皮障害を起こしてしまいます。
ドライアイの自覚症状
- 目が疲れやすい
- 目がかゆい
- 目やにが出る
- 光が眩しい
- 目がゴロゴロする
- 目が赤い
- 瞬きが多い
- 涙を流して泣けない
- 目が乾いた感じがする
- 目が重たい感じがする
- なんとなく目に不快感がある
- 物がかすんで見える
- 鼻が乾く
- 口が渇く
涙について
涙は、油層・水層・ムチン層と呼ばれる3つの層から形成されています。
- 油層:一番外側に位置し、その下にある水を主成分とした水層が蒸発するのを防いでいます。
- 水層:水層は眼球の粘膜を潤すほか、角膜と結膜に栄養を届けたり、細菌の侵入を防いだりします。
- ムチン層:一番内側にあり、角結膜の表面を覆い、涙液層を親水性にします。それにより水層が表面張力の影響を受けずに隙間無く 広がることができます。
ドライアイの原因
空気の乾燥
空気の乾燥は、涙の蒸発を促進させます。
そのため、空気が乾燥する秋から冬にかけて症状を訴える人が増えたり、ドライアイの症状が強くなったりします。
エアコンの使用により、空気が乾燥している場合も同様です。
まばたきの回数
人は意識することなくまばたきをしていますが、読書やパソコン等に集中している時、まばたきの回数が減少する場合があります。
これにより、涙の蒸発が進み、また、涙の補給が十分に行われなくなるため、涙の膜が途切れてしまいます。
コンタクトレンズの装用
コンタクトレンズによって角膜が覆われることで、角膜の感度が低下したり、まばたきが不完全になることがあります。 その結果、涙の分泌量が減少してしまう場合があります。
その他
アレルギー性結膜炎等でも結膜のムチンの分泌が減少し、ドライアイになりやすくなります。
ドライアイの症状






ドライアイの治療
点眼薬で潤す
人工涙液を点眼することで、不足している涙を補給し、眼の表面を潤す方法です。
涙点を塞ぐ
涙の分泌量が少ない場合に、涙点を塞いで、涙を眼の表面に長くとどめる方法です。
手術で塞いだり、涙点プラグとよばれる器具を涙点に差し込んで塞いだりします。



自己血清
患者様の血清を薄めて点眼する治療法です。血清は涙と成分が似ているので、角結膜障害の治療に有効です。
フード付眼鏡
眼鏡のフレームにフードがついた眼鏡を使用します。眼を乾燥から保護し、また、フードによる風よけ効果も得られます。
フード内のスポンジを湿らすことで保湿効果を高めることもできます。
症状を和らげる方法
- 涙液の蒸発を防ぐ
直接クーラー等の風にあたらないようにする。テレビやパソコンの画面を眼より下に設置する。
(眼の開きが小さくなるので、涙の蒸発が少なくなります) - 室内の乾燥防止
加湿器を設置 - たばこの煙に注意する
- 意識してまばたきする
- パソコン等を使用した長時間作業の回避
ムチンとドライアイ
ムチン層はドライアイの原因のなかでも重要な位置にあり、ドライアイの治療薬開発の鍵となると考えられています。
ムチンについて
このページの最初の方で、ムチン層について説明しましたが、もう少し詳しくいうと、ムチンにはいくつかのタイプが存在し、 高分子の糖蛋白で出来ています。
粘液層での作用のほか、細胞接着の基質としてはたらき、また、眼表面を損傷から保護する効果もあります。
この他に、先程のべたように、涙液層を親水性にし、表面張力を減少させることで、涙液は眼表面に接着でき、また、均等に 拡散することができます。
関係性
ムチンとドライアイは相関関係にあります。眼表面のムチンは主に杯細胞・角結膜の表層の細胞・涙腺に存在します。
ドライアイは進行すると、結膜細胞の扁平上皮化が起き、それに伴い、上皮細胞の面積が増えていくのに相関して杯細胞の密度が低下し、 結果、ムチンの生産が減少してしまいます。
新しい点眼薬
現在主流のドライアイの治療法は、上記記載の通りですが、これらは対処療法であり、根本原因に取り組むものではありません。原因を改善する方法として下記の新薬剤等が開発されました。
- P2Y2作動薬(ジクアス点眼液3%)
涙の成分であるムチンや水分の分泌を促進し、涙の状態を改善することで角結膜上皮の障害を改善します。
ドライアイの原因改善治療に用いられます。 - ムコスタ点眼
涙の成分であるムチンの産生を促進し、涙の状態を安定にすることで、角結膜上皮の障害を改善します。
ドライアイに関して院長からの一言
「最近、よく目が疲れる、チラつく・・・」もしかすると、それはドライアイかも知れません。
パソコンやスマホの画面などを見続ける生活により、知らず知らずのうちに目を酷使。
ドライアイは早期治療と定期的な通院がポイント。
ドライアイは、生活習慣や他の病気などにより、涙の量や質が変わってしまうことで起こる病気です。
そのため、市販の目薬で水分を補うだけでは十分ではない場合もあります。また、市販の目薬や水道水による洗眼は、かえって病状を悪化させてしまうこともあります。
また、最近は治療薬も進化して、効果が高い薬も開発されてきています。まずは当院へご相談ください。
解説医師
秦 誠一郎
水晶体・網膜・硝子体手術・特殊コンタクトレンズ
平成2年3月:東邦大学卒業
平成7年8月:眼科専門医取得
平成23年12月:スカイビル眼科医院院長